Premiere Proでは標準エフェクトの「シャープ」と「アンシャープ」を使うことである程度鮮明にすることができます。
こちらの記事で紹介しています。
個人的にはひと手間かかりますが今から紹介する方法の方が編集も軽くなり好みの仕上がりになります。
ハイパスとは?
小難しい説明ばかりなので自分なりに解釈を!
「輪郭」を強調してくるフィルター
です!
厳密には色が切り替わる部分を強調してくる機能なんです
ただしPhotoshopを使用されている方は見たことがあるかもしれないんですがこんな感じになります,,
グレー!?
はい、そうですグレー一色です、どう使っていいかわからないですよね、、w
今日はこのハイパスをPremiere Proで作り映像を鮮明にしていきます。
ハイパスを使う理由
■メリット
・色を平均化しクッキリとしてくれる
・Prで編集する際に動作が軽い
・アンシャープは優秀だが動作が重くなる
■デメリット
・シーケンスを複数作る必要がある
・エフェクトコントロールパネルをよく使う
Premiere Proではアンシャープがよく使われます。
空気感を残したまま鮮明にしてくれますが動作が重くなるのが難点です、
またシャープを使うとジャギーが目立つようになるので注意が必要となります。
使用するエフェクト
それでは本題です。
Photoshopには「ハイパスフィルター」というのがあるのですが
Premiere Proにはないです、けっこう便利なので追加してほしいですね、、w
ですので既存のエフェクトを使いハイパスフィルターを作っていきます。
■使用するエフェクト
・反転
└チャンネルの中にあります
・ブラー(ガウス)
└ブラー&シャープの中にあります
この2つを使用しハイパスフィルターを作っていきます。
エフェクトを適用していく
まずは素材を読み込んでタイムラインに配置します。
読み込んだクリップ(素材)はプロジェクトパネル内の
新規作成のアイコンにドラッグするとクリップに適したシーケンスを自動で作ってくれます。
作成したシーケンスは「ハイパス素材」用となります、
このシーケンスは後ほどネストで使うためわかりやすいようにシーケンスの名前を変更しておきます。
次に出来上がったシーケンスに同じクリップを上に重ねます
ここに
こんな風に配置します。
次に先程紹介したエフェクトを適用しますが、適用するのは全て「上のクリップのみ」です
まずは「反転」を適用します。
この段階で画面はこのようになっています。
なんだかショッキングですね、、w
色は凄いことになってますがよく見ると建物や人の輪郭が鮮明になっていますね
エフェクトを調整する
適用したエフェクトをエフェクトコントロールパネルで調整していきます。
適用したエフェクトは「反転」と「ブラー(ガウス)」でした。
ここでも調整するのは全て上のクリップのみとなります
調整するエフェクトの数値は
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■反転の数値
何も変更しない
■ブラー(ガウス)の数値
ブラーを「5」くらい
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■不透明度
50%
(ストップウォッチのマークを一度クリックしキーフレームを解除しておいてください)
■描画モード
リニアライト
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これで「ハイパス素材」の作成は完了です。
ハイパス素材を配置する
出来上がった「ハイパス素材」シーケンスを本来の調整したいシーケンスにネストをします。
編集しているシーケンスは「本番用」という名前にしています。
この「本番用」シーケンスにネストをします。
と言っても他のクリップ同様配置するだけです。
ここに
こんな感じです、ネストの際はクリップの色が通常と異なるのでわかりやすいです。
これでハイパス素材の配置は完了です、
次は最後、グレー一色の表示を変更します。
ハイパス素材の調整
ハイパス素材のクリップを選択してから描画モードを変更します
(今回は緑色のクリップ)
これで輪郭が強調され映像が鮮明になります。
補足ですがどのエフェクトを使用してもそうですが
もともとある素材から著しく改善することはないので基本的には撮影の腕を上げるしかないですw
ハイパス適用前と後の比較
遠目ではよくわからないので拡大して比較をしてみます。
色の濃淡が濃くなり輪郭が鮮明になっているのが感じられると思います。
エフェクトとの細部の比較
気になるのはその他のエフェクトとどう違うのかですね
それぞれのエフェクトとハイパス素材の比較をしてみます、
一長一短がありますが最終的には好みとなるので
お好きなエフェクトと編集時の動作を考慮するのが一番です。
■ハイパスとアンシャープの比較
「190円」という場所をがわかりやすいですが黒色が平均化され強調されています、
また上部の「黄色い部分」も霞みのようなもやが若干クリアになっていることがわかります。
それぞれの輪郭も自然な感じで鮮明になりジャギーが目立ちません。
■ハイパスとシャープの比較
全体的に色が平均化され鮮明になるのですが、かなりジャギーが目立ってしまいます、
ノイズも強調されてしまい暗い映像には不向きだと思われます。
書き出し時もエフェクトを適用していないの全体的に高速化が図れます、
それぞれケースバイケースですがひと手間かけたハイパスは十分価値があるかと感じます。